付いてますか?個人賠償責任保険

離れて暮らす親世帯にも個人賠償責任保険を

家族の賠償リスクに備える個人賠償責任保険。離れて暮らす親にも個人賠償補償が付いているかを確認しましょう。

認知症患者が起こした事故の監督責任者は?

近年、高額の自転車事故などが相次いだことで、その必要性が強く認識されるようになった個人賠償責任保険。誤って他人にケガをさせたり、他人のモノを壊してしまったなど、法的な賠償請求を受けたときの補償です。賠償金(修理代、治療費など)のほか、弁護士費用や訴訟費用などもまかなってくれる頼りになる保険ですが、1億円の補償を付けても保険料は年千数百円で済むという安さも特徴です。

この個人賠償責任保険がさらに注目されるようになったのは、2017年のJR東海での認知症患者の線路立ち入りによる事故に最高裁判決が出てからです。認知症の男性が踏切に立ち入って列車にはねられて亡くなった事故で、JR東海が損害賠償を家族に求めた裁判でした。

一審では、離れて暮らす長男の監督責任と同居していた妻(本人も要介護状態)の過失責任を認め2人に約720万円の賠償が命じられ、二審では、主に介護をしていた妻に監督責任があったと約360万円の賠償が命じられました。その後の最高裁判決では、今回のケースは「監督義務者不在」と判断され、賠償請求は棄却されました。

しかし、この最高裁判決によって、監督責任を問える客観的状況があれば、離れて暮らす息子・娘でも認知症の親が起こした事故の責任を問われる可能性があるというリスクが明確になりました。

離れて暮らす親にも個人賠償責任保険を

個人賠償責任保険は、一家で1本入っていれば家族全員が補償対象になります。前述の最高裁判決を受けて、約款を改定する損保会社が相次ぎました。一部の保険会社では、補償対象者として次のように追加されました。

従来の個人賠償責任保険の対象者

① 本人(記名被保険者)
② 配偶者
③ 本人または配偶者の同居の親族
④ 本人または配偶者の別居の未婚の子(仕送りを受けている学生など)

追加された補償対象者(損保会社による)

⑤ 本人が未成年者または責任無能力者の場合、②~④に該当しない本人の親権者や法定監督義務者、および監督義務者に代わって本人を監督する者(親族に限る)。ただし、本人に関する事故に限る。
⑥ ②~④のいずれかの人が責任無能力者である場合、いずれにも該当しない親権者、その他の法定監督義務者、および監督義務者に代わって責任無能力者を監督する者(その責任無能力者の親族に限る)。ただし、その責任無能力者に関する事故に限る。

認知症の親が前述のような事故を起こしたとき、監督義務者としてもう一方の親が責任を追及される可能性ある場合、親世帯でもしっかり個人賠償責任保険に入っていることを確認する必要があります。

また、たとえ離れて暮らしていても、息子や娘が親の介護に関わっていることが明確であれば、監督義務者として賠償請求される可能性もあるわけです。やはり自分たちの世帯でもしっかり個人賠償責任保険に加入しているかを確認しておきましょう。

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