火災リスクについて「すまいにまつわるリスク [火災について]」

火災はどれくらい発生するの

わたしたちが毎日をすごす「すまい」。そのすまいにまつわるリスクと聞いて、まず思い浮かぶのが「火災」ではないでしょうか。火災は財産が焼失・破損・滅失する「物的リスク」と、近隣の建物に燃え移るなどして、その財産に損害を与えたことにより損害賠償責任を負う「賠償責任リスク」が想定されます。
そんな大きなリスクをもたらす火災は、どのくらいの頻度で発生しているのかみてみましょう。

火災の出火件数について

日本における火災の出火件数を見てみると、2016年(平成28年)は年間3万 6,831 件、一日に101件の火災が発生しています。

(消防庁『平成29年版消防白書』より作成)
http://www.fdma.go.jp/html/hakusho/h29/h29/index.html

この火災件数には「林野火災」「車両火災」「船舶火災」「航空機火災」が含まれていますが、そのうち「建物の火災」は20,991件で、火災全体の57.0%を占めており、その損害額は689億円にのぼります。グラフからも分かる通り、火災の件数、損害額ともに年々減少しています。

建物火災の原因は?

建物火災の原因のトップ3は、放火3,568件、たばこ3,483件、コンロ3,136件となっています。2位のたばこよる火災の59.0%は不適当な場所への放置、3位のコンロによる火災の 49.7%は消し忘れが原因となっています。

(出典:消防庁『平成29年版消防白書』「主な出火原因別の出火件数」)
http://www.fdma.go.jp/html/hakusho/h29/h29/index.htm

これらの建物火災の出火件数を火元となった建物の用途別にみると、 「住宅用建物」の火災が11,354件と最も多く、全体の 54.1%を占めています。

(出典:消防庁『平成29年版消防白書』「平成29年度建物火災の火元建物用途別の状況」)
http://www.fdma.go.jp/html/hakusho/h29/h29/index.htm

住宅用建物のなかでも一般住宅(一戸建て住宅)の出火件数が高く、これはマンションなどの共同住宅などに比べ、木造建物の割合が高いためと思われます。それを示すように、火元となった建物の構造別にみると、木造の建物の割合が最も多く、 建物火災の40.5%を占めています。

出火による損害

出火による損害

出火による損害額を見てみると、1件の火災につき 10 万円未満の損害額が全体の 55.8%を占めています。また、焼損床面積 50 m²未満の出火件数が全体の 79.2%を占めていることから、建物火災の多くは、比較的早い段階において消し止められていることがわかります。

近年は消防法、建築基準法などの規制により、建物が燃えにくくなったこと、消火・防火設備が整えられてきたことで、火災事故は年々減少傾向にあります。
しかし日本はもともと木造建築が多く、また都市部においては家屋が密集しているため、一度火災が起こると近隣も巻き込んでの大きな被害につながることがあります。
また近隣からのもらい火については、失火責任法によって、失火者に重大な過失がない限り損害賠償請求ができません。これら火災によるリスクに備えるため、火災保険への加入が必要とされています。

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小澤美奈子