公的医療とは「高額療養費制度の対象外となる医療費」

高額療養費制度の対象外となる医療費とは?

医療費の中には、高額療養費制度が適用とならず、全額自己負担しなければならない費用があります。実際には、この部分が医療費全体を大きく左右することになります。

高額療養費制度の対象外となり、全額自己負担が必要な費用

高額療養費の対象外となる費用は次の通りです。この中でも、とくに医療費を大きく左右するのが、「差額ベッド代」と「先進医療費」です。

差額ベッド代入院する部屋の料金。1日0円の大部屋から数万円する個室まで様々。希望する部屋が空いていないことも…。
入院中の食事代一般の人 :一食460円
非課税世帯:一食210円(90日以降160円、70歳以上100円)
大病院などの初診他の医療機関等の紹介状なしに特定機能病院(大学病院など)を受診した場合、初診時又は再診時にかかる費用。
先進医療費国が認可する特定の医療機関で行われている最先端治療。保険が適用にならず全額自己負担となる(診察や検査費用などは保険適用)。
自由診療費国の認可はないが最先端の治療法などもある。診察や検査等含め全額自己負担。
その他入院中の生活費、家族の交通費、お見舞いのお返し等。 ※意外とかかりますので注意しましょう。

差額ベッド代

差額ベッド代とは、実際に入院をする部屋(病室)によって、一日ごとにかかる費用です。
この費用は、0円の部屋から、個室など高額となる部屋まで、病院によって様々な価格が設定されています。つまりどの部屋に入院するかによって1日あたり0円から数万円までの差が生じることになります。

差額ベッド代

なお、患者の許可なく高額な病室に入院となることはありません。入院時には「差額ベッド代に関する同意書」にサインや捺印を求められますので、安易にサインせず事前によく説明を聞くなど注意するようにしましょう。

厚生労働省の「主な選定療養に係る報告状況(2018年11月報告)」によると、差額ベッド代の全国平均は6,188円です。これは首都圏ほど高くなる傾向があります。例えば、首都圏の私立大学付属病院の事例を挙げると、差額ベッド代は4人部屋で日額5,000円~8,000円、個室20,000円(税別)という事例があります。

<全国の差額ベッド代(日額)の割合>

<全国の差額ベッド代(日額)の割合>

厚生労働省「主な選定療養に係る報告状況」(2018年11月報告)

先進医療

先進医療とは、特定の大学病院などで研究・開発され、実施されている先端医療のうち、厚生労働大臣の承認を受けたもののことをいい、平成29年7月1日現在で102種類あります。この、先進医療にかかる費用は全額自己負担となります。ただし、診察料、検査料、投薬料、入院料などは公的医療保険が適用されて、この部分については高額療養費制度の対象となります(この点が自由診療とは異なります)。

最先端といわれるような先進医療での治療方法を受けたい場合、医療費用が一気に高額となることがあります。なお、実際にかかる先進医療の技術料は、種類や実施している医療機関によって異なりますが、以下に事例を挙げておきますので参考にしてください。

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森田直子