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ヨークシャー・テリアの特徴と気をつけたい病気

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ヨークシャー・テリアの特徴と気をつけたい病気

ヨークシャー・テリアは19世紀のイギリスのヨークシャー地方で品種改良された犬種です。

絹のようにしなやかで光沢のある美しい被毛は、成長するにつれ7回も色が変化することから「動く宝石」といわれています。

気品のあふれる姿と愛らしい表情で、世界中で人気の犬種です。

そんなヨークシャー・テリアを家族の一員として迎えるにあたって、特徴と飼い方のポイント、気をつけたい病気について知っておきましょう。

ヨークシャー・テリアの特徴

・性格

狩猟犬であるテリア気質が残っていると言われ、用心深くて勇敢、活発な性格です。忠実で人懐っこい性格なので、人ともよく遊びます。

体は小さくても気が強く頑固な面があるので、しつけをするのは大変、という声もあるようです。
しかし賢い犬種なので、かわいいからと甘やかすことなく「飼い主がリーダーであること」を理解させ、根気よくしつけることで信頼関係が築けるでしょう。
また、遊ぶのも大好きなので、かまってあげられないとストレスになってしまいます。おもちゃや散歩などで、たくさん遊んであげましょう。

しつけを根気よくできる方、遊ぶ時間を取ってあげられる方には向いている犬種といえるでしょう。

・飼い方のポイント

・しつけは根気よく

ヨークシャー・テリアは、室内で飼育することが多いので、室内で排せつができるよう「トイレトレーニング」をすることをオススメします。
また、気が強いので、しつけができていないと無駄吠えや無駄噛みの原因になります。おうちに迎えてすぐにトレーニングを始め、根気強くしつけをしていくことが大切です。

・被毛のお手入れ

絹のような美しい被毛は、シングルコートで比較的抜け毛が少ないといわれていますが、毛が細く絡まって毛玉ができやすいため、日々のブラッシングは欠かせません。
また、被毛はまっすぐなので放っておくと目にかかるほど伸びてしまい、視界の妨げになったり、目に入ってしまうことで目の病気になることもあるので、定期的にカットしてあげましょう。
全身を短く切る「サマーカット」など、さまざまなスタイルも楽しみの一つです。

・過ごしやすい環境で飼育する

シングルコートなので温度の変化に敏感です。
エアコンや洋服などを使って温度を管理しましょう。

また、ヨークシャー・テリアは関節があまり強くないため、カーペットを敷く、フローリングには滑り止め効果の高いワックスを使用するなど、床で足がすべらないよう工夫が必要です。

とくに気をつけたい病気

ヨークシャー・テリアでは、消化器・皮膚・耳の病気がよく見られます。*1
また、関節があまり強くないので脱臼や、骨折にも気をつけましょう。

門脈シャント(門脈体循環シャント)

門脈は、消化管から吸収した栄養分やアンモニアなどの毒素を肝臓に運ぶ役割を持つ血管です。
門脈を通ってきた毒素は肝臓で無毒化されます。しかし、門脈と全身の静脈の間をつなぐ余分な血管(シャント)があると、毒素が肝臓を通らずに全身の血管をめぐるようになってしまい、また肝臓に十分に栄養が行き渡らなくいため、成長不良や神経症状などがみられます。

門脈シャントには犬に多くみられる先天性と、肝炎や肝硬変などが原因で発生する後天性があります。
ヨークシャー・テリアは、門脈シャントを起こす犬種のひとつで、1歳未満で発症するケースが多くみられるようです。

発症すると兄弟犬に比べて小柄で成長が遅い、食欲不振、下痢や嘔吐が続く、子犬の割に元気がない、という症状がみられます。
重症になるとヨダレやふらつき、徘徊や旋回行動、けいれん発作などの神経症状があります。

食後、消化された食事が血液中に吸収されてアンモニアの濃度が高くなると症状が現れやすいようです。
放っておくと肝機能障害を起こし命にかかわる場合もある病気です。
軽度の場合は症状がみられず、健康診断での血液検査や尿検査で見つかる場合もあります。
普段から順調に成長しているか、食後変な様子が見られないかなどサインになる症状に注意し、異常が見られたら獣医師に診てもらいましょう。

治療方法

症状の程度や状態、飼い主の意向によって治療法は異なりますが、先天性の場合、若いうちに手術をすれば完治が望める病気です。
症状が軽い場合や手術が難しい場合や後天性の場合には食餌療法や投薬など内科治療で症状を抑え、病気と向き合っていくケースもあります。
また、手術しても食餌療法を併用することもあります。

診療費はどれくらい?

治療費は症状や治療方法により変わりますが、「自由診療」なので、動物病院によって費用が異なります。

門脈シャントの治療の場合、診断確定や経過観察のための検査費用、手術する場合は手術のための検査・麻酔・手術代・入院代、内科治療のための薬代がかかります。
手術する場合は30~50万円と言われていますが、100万円近い金額となった例もあるようです。
手術を受ける病院が遠い場合は交通費もかかるでしょう。

一方、内科治療では投薬や食餌療法など長期的な治療が必要になります。
アニコム損害保険株式会社の統計によると、ヨークシャー・テリアの門脈シャントの場合、年間平均診療費は通院1回あたり10,152円程度、通院回数は3回程度であったようです*2

ほかにもこんな病気に気をつけよう

病名 原因と症状 治療方法
尿路結石
(尿石症)
尿に含まれるミネラル成分が結晶化し、腎臓や膀胱、尿道などで結石ができる病気です。頻尿や血尿、膀胱炎などの原因となります。原因はさまざまで尿路の細菌感染、水や食事の成分、門脈シャントなど他の病気や遺伝的な異常です。 結石を溶かす食事療法や投薬などの内科的治療、重症の場合は外科治療による摘出が必要になります。
気管虚脱 気管がつぶれた形に変形し、呼吸障害を起こす病気です。咳をする、激しい運動や興奮、首輪による圧迫があると「ガーガー」とアヒルの鳴き声のよう喉鳴りがあります。重度になると呼吸困難や失神などを起こすことがあります。 症度に応じて、気管拡張薬や咳を抑えるための投薬や酸素吸入、症状が重い場合には血管の補強や気管を押し広げる手術を行います。
膝蓋骨脱臼 膝蓋骨(膝のお皿の骨)の脱臼で、小型犬によくみられます。変な歩き方をしたり、骨の変形がみられたりします。膝関節やその周囲にみられる先天的な異常が原因の場合もありますが、ソファーなどからの転落や打撲など、膝への過度な負荷が原因にもなります。 根治のためには手術が必要ですが、症状と健康状態によっては、症状緩和のための鎮痛剤やレーザー治療などの治療を行う場合もあります。
先天性の膝蓋骨脱臼の場合は、症状の進行を抑えるため、肥満にならないよう体重管理が求められます。
僧帽弁閉鎖不全症 高齢の小型犬に多く見られる心臓病で、心臓の弁がうまく閉じなくなり、血液の一部が逆流してしまう病気です。初期段階では症状がなく診察で心雑音が見つかり気づくことが多いようです。咳が出る、体力・体重が落ちる症状が見られます。重度になると肺水腫や呼吸困難、心不全などの症状を起こします。 心臓の負担を減らし咳などの症状の緩和、心臓の収縮力を高めるための投薬治療が主流です。
歯周病 歯垢や歯石の中にある細菌が原因で、歯肉などの組織が炎症を起こす病気です。年齢とともに発症しやすいと言われています。
歯肉の赤み、腫れ、出血、口臭が見られ、痛みから食欲不振になることもあります。重度になると鼻へ炎症が広がる、下あごの骨がもろくなる、口の粘膜から血管に細菌が入ると心臓や腎臓に影響を及ぼすこともあります。
原因となっている歯垢や歯石を取り除き、投薬で治療を行いますが、重症だと抜歯が必要な場合があります。

病気の予防・早期に発見するためにできること

病気の予防・早期に発見するためにできること

日頃行うお世話や排せつ、散歩や遊びからちょっとした違和感や異常に気付き、病気を早期発見できる場合があります。
また、ブラッシングやトリミング、歯磨きなどは病気やケガを予防できる効果があります。

ブラッシング

犬は皮膚病が多いと言われていますが、ブラッシングを行うことで皮膚病になるリスクを減らすことができます。

・毛玉を防ぐ

毛玉ができると、皮膚が引っ張られ皮膚が傷つくことがあります。また、毛玉自体が汚れの温床になったり、通気性が悪くなって雑菌が繁殖したりします。
皮膚の傷や雑菌の繁殖が皮膚病の原因になるので、ブラッシングで毛玉を防ぎ、毛玉ができたら取ってあげましょう。

・ノミやダニを取り除く

ブラッシングを行うことで身体についた虫やノミ・ダニなど皮膚炎や外耳炎のもとになるものを取り除くことができます。
とくに散歩など屋外に出た後などは、ブラッシングで取り除いてあげましょう。

・健康状態の把握と異常の早期発見

ブラッシングは愛犬の体全体に触れるので、皮膚病だけでなく、体のしこりやふくらみ、触ると痛がるなど、ちょっとした変化に気が付くことができます。
また、血行が良くなるので皮膚病の予防効果も期待できます。

・コミュニケーション

ブラッシングには皮膚病の予防だけでなく、皮膚への適度な刺激は愛犬をリラックスさせる効果も期待できます。
また、ブラッシング中は話しかけたり、なでたりコミュニケーションを図ることで、飼い主と愛犬の信頼関係を深められる機会でもあり、精神的にも重要なケアです。

歯磨き

あまり犬に歯磨きをするというイメージはないかもしれませんが、歯磨きは歯周病を防止するために大切なケアのひとつです。
デンタルケア効果のあるガムやおもちゃもありますが、すべての歯を健康に保つのには、歯磨きをあわせて行うのがよいといわれています。
歯磨きを習慣にするには、長い時間がかかることもありますが、小さいうちから口の中を触ることからはじめて、根気よく覚えてもらいましょう。

まとめ

ヨークシャー・テリアの特性と飼い方のポイント、気をつけたい病気についてみてきました。

ペットは言葉で身体の不調や気持ちを伝えることができません。
日々のお世話とコミュニケーションを通じて愛犬と健康で楽しい毎日を送りましょう。

また、愛犬が病気になってしまったら、安心して治療できるよう医療費のことも考えておきたいもの。
医療費の一部が補償されるペット保険は、経済的な負担を軽くすることができるのでオススメです。

ペットは家族の一員、愛情をもって育てて、ともに健康に暮らしていきましょう。

⇒ペット保険の一覧、詳細はこちら

この記事を書いた人
ニッセンライフニッセンライフ
Will Naviを運営する株式会社ニッセンライフは通販でおなじみのニッセンのグループで、セブン&アイグループ傘下の企業です。 40年以上の豊富な経験と実績をもつ保険代理店です。 ニッセンライフの経験豊富な専門のアドバイザーが、保険でお悩みの点や疑問点などお客様の個々の状況に合わせてサポートいたします。
出典

*1「家庭どうぶつ白書」(アニコム損害保険株式会社)
「2019 3-2-13疾患(大分類単位)の請求割合」
https://www.anicom-page.com/hakusho/

*2「どうぶつ診療費ドットコム」(アニコム損害保険株式会社)
https://www.anicom-navi.com/akinator/Prevention

「みんなのどうぶつ病気大百科」(アニコム損害保険株式会社)
「ヨークシャー・テリア」
https://www.anicom-sompo.co.jp/doubutsu_pedia/node/851

「門脈シャント <犬>」
https://www.anicom-sompo.co.jp/doubutsu_pedia/node/908?breed=1351

「尿石症 <犬>」
https://www.anicom-sompo.co.jp/doubutsu_pedia/node/927

「気管虚脱 <犬>」
https://www.anicom-sompo.co.jp/doubutsu_pedia/node/895?breed=1351

「病気と上手く付き合おう(04) <膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)について>」
https://www.anicom-sompo.co.jp/doubutsu_pedia/node/1435
https://www.anicom-sompo.co.jp/doubutsu_pedia/node/909

「病気と上手く付き合おう(02) <心臓病>」
https://www.anicom-sompo.co.jp/doubutsu_pedia/node/1433

「歯周病(歯肉炎・歯周炎) <犬>」
https://www.anicom-sompo.co.jp/doubutsu_pedia/node/882

「76.3%が歯周病の予備軍、愛犬も歯みがきの習慣化を!」(アニコム損害保険株式会社)
https://www.anicom-page.com/hakusho/statistics/pdf/100528.pdf

「家庭どうぶつ白書mini2」(アニコム損害保険株式会社)
https://www.anicom-page.com/hakusho/book/pdf/book_201803.pdf

掲載内容は執筆時点の情報であり、変更される場合があります。
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