妊娠・出産前って保険は必要?女性のための医療保険知識

「若いうちは病気もしないし医療保険に入るのはもったいない」と思っている方が多いと思います。
私は若いうちから、とくに女性には医療保険に加入することをオススメしています。
妊娠・出産は身体に大きな負担がかかるため、入院や手術をする確率が高くなります。
帝王切開などの異常妊娠・分娩だった場合、医療保険の保障対象になることを知っていましたか?
本コラムでは、なぜ医療保険が必要なのか、どんな保険を選べばいいのかを、とことん解説したいと思います。
妊娠・出産に関係するリスクとは
20~30代の女性の入院受療率は男性よりも高い
厚生労働省の「平成29(2017)年 患者調査」によると20代~30代の女性の入院受療率が男性よりも高いという結果が出ています。
傷病別の入院受療率をみると、20代~30代は「妊娠・分娩および産じょく」 がもっとも高い数値となっており、ほかにも男性と比べるとがんの入院受療率が高くなっています。
乳がんや子宮がんは胃がんや肺がんなどに比べると、比較的に若いうちから発症する可能性があるがんであるため、がんの入院受療率が男性よりも高いという結果が出ていると考えられます。
帝王切開での出産は約5人に1人!帝王切開は年々増加傾向
分娩件数は年々減少傾向にあるものの、帝王切開による分娩割合は高くなってきており、5人に1人は帝王切開で出産をしていることになっています。
注1:平成23年の数値は、宮城県の石巻医療圏、気仙沼医療圏および福島県の全域を除いた数値である。
注2:割合は、分娩件数に対する帝王切開娩手術件数の割合(%)である。
出典:厚生労働省「医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」(平成29年)より作成
帝王切開は逆子や双子や三つ子、妊婦さんや胎児の状態により自然分娩が難しい場合に行われるため、誰にでも可能性はあります。また、帝王切開を一度経験すると2回目以降の分娩も帝王切開で行われることが一般的です。
術後は母子ともに体調のコントロールが必要になるため、自然分娩と比べて入院期間が長くなる傾向があります。
妊娠高血圧や妊娠糖尿病に注意
妊娠中に発症する主な病気として妊娠高血圧や妊娠糖尿病があり、母体に悪影響をおよぼすだけではなく胎児にも悪影響をおよぼします。
出産後は症状が改善されることが多いですが、もともと血圧が高めの人、血糖値が高めの人はより発症するリスクが高くなっているので注意が必要です。
ほかにもつわりがひどくて入院をする、切迫早産・切迫流産などもリスクの一つです。
妊娠は急激な体の変化が起きるため、さまざまな不調が起きてもおかしくありません。違和感があればすぐに主治医に相談し早期発見・対応が重要になります。
妊娠・出産関係で受けられる医療保険の保障とは
帝王切開などの異常妊娠・分娩が保障の対象
自然分娩は医療保険の保障対象にはなりませんが、切迫早産・切迫流産、帝王切開などの異常妊娠・分娩は保障の対象になります。
主に入院給付金や手術給付金が対象となりますが、女性保険に加入している場合は女性疾病入院給付金を上乗せして受け取れます。
帝王切開の場合、自然分娩よりも入院日数が長くなるケースも少なくないため、女性保険の上乗せがあるとより安心です。
医療保険以外で受けられる公的保障
国や自治体などでは、出産のための助成金や手当制度があります。
このほかにも自治体や勤務先で独自の制度が設けられている場合があるので、確認してみると良いでしょう。
また、育児に関してもさまざまな助成金や手当制度があるので、ぜひ確認してみてください。
妊婦検診の助成 | 妊婦検診の14回分については各自治体から助成があります。助成の内容や助成額は自治体により異なります。 |
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傷病手当金 |
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出産育児一時金(家族出産育児一時金) | 妊娠4カ月目(85日)以上の出産(死産・流産等を含む)については、公的医療保険から出産育児一時金または家族出産育児一時金が支給されます。 支給額は1児につき、産科医療補償制度加入分娩機関で出産した場合は42万円(在胎週数第22週以降のものに限る)、それ以外の場合は40.4万円です。 |
出産手当金 | 健康保険(市区町村が運営する国民健康保険はのぞく)の被保険者が出産のため会社を休み、事業主から報酬が受けられないときは、出産手当金が支給されます。 支給額は月給日額の3分の2相当額、支給期間は出産日以前42日(双子以上の場合98日)、出産日後56日です。報酬がある場合でも、3分の2未満の場合は報酬との差額が支給されます。 |
2020年7月31日時点 |
妊娠・出産に備えて保険に入るときのポイント

妊娠・出産の予定がなくても医療保険に加入しておくのがオススメ
入院や手術のリスクは妊娠・出産だけではありません。
子宮筋腫や卵巣嚢腫などの女性特有の病気は比較的若い年齢で発症することもあるため、医療保険を検討するならなるべく早めがオススメです。
というのも医療保険は基本的に健康であることが加入の条件であるため、治療中の病気やケガがあると保険に加入することが難しくなります。
病気やケガの種類・治療状況によっては加入できる場合がありますが、特定疾病不担保や特定部位不担保といった条件がついてしまうことがほとんどです。
特定疾病不担保・特定部位不担保とは、特定の病気(ケガ)や特定の部位で治療が必要になったとしても保障しないという条件のことです。
たとえば、子宮筋腫の場合、疾病不担保であれば子宮筋腫という病気では保障しないということになり、特定部位不担保であれば子宮に関する治療全般を保障しないということになります。
妊娠中でも加入できるが条件がつくこともある
少し前までは医療保険の申し込みは妊娠〇週目までといった条件がついていましたが、最近では妊娠初期でも臨月でも関係なく申し込みができるものもあります。
ただし妊娠中に医療保険に加入する場合、部位不担保がついてしまうデメリットがあります。
一般的に妊娠・出産に関して1~5年間保障しないという条件がついてしまうので、妊娠・出産トラブルへの保障が一切受けられないということになります。
また妊娠中の加入ではなかったとしても、過去5年以内に帝王切開などの異常妊娠・分娩の経験がある場合、1~5年間の部位不担保がつきます。
ケースによっては引受基準緩和型医療保険も検討してみましょう
- 妊娠中だけど医療保険に加入して、万一の妊娠・出産トラブルに備えたい
- 帝王切開を経験しているからこそ、妊娠・出産トラブルも保障される保険に入りたい
という方は、引受基準緩和型医療保険を検討してみるといいでしょう。
引受基準緩和型医療保険とは、通常の医療保険と比べて健康状態に関する告知項目がゆるやかになっているため、持病がある人や、入院や手術の経験がある人でも入りやすい医療保険です。
引受基準緩和型医療保険なら、持病の悪化が原因で入院や手術をすることになっても保障の対象になるので、妊娠・出産トラブルにも備えられる保険です。
ただし、持病の治療も保障することから、通常の医療保険よりも保険料が割高 になっているなどの条件があるので注意しましょう。
なお、健康に関する告知項目は2~4つになっており、商品によって異なるので、検討するときは保障内容を含めて自分にあったものを選ぶようにしましょう。
過去2年以内に入院・手術をしていますか?
過去5年以内にがんまたは肝硬変で治療を受けていますか?
まとめ:妊娠前に医療保険に加入しておこう!

妊娠・出産は多くのリスクがともなうものなので、とくに初産であれば心配なことも多いと思います。
保険の場合もリスクが高いことから、妊娠中の加入には部位不担保などの条件がつくなど不利になってしまうことが多くなります。
部位不担保がつくのは乳房や子宮に関わることから、妊娠・出産だけではなく、子宮筋腫などの女性特有の病気も保障されなくなるということも考えられます。
そのため、これから妊娠・出産を考えている人は、なるべく早く医療保険を検討するようにしましょう。
せっかく同じ保険料を払うのであれば、幅広く保障される方がお得です。
どんな商品を選べばいいのかわからないなど、医療保険に関するご相談はぜひニッセンライフにご相談ください。
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出典
「平成29(2017)年 患者調査」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/17/index.html
「医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況(平成29年)」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/17/dl/02sisetu29-3.pdf
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