がんでも加入できる可能性のある保険はあるの?

現在、がんは日本国民の死因において第1位となっており、国民病ともいえるようになっています。
この調査からもわかるように、現在がんを抱えている人、がんを過去に患っていた人が多くおられるのでないでしょうか。
そのような人が抱える
「がんによる経済的な負担を少しでも軽減したい。」
「家族に少しでも楽をさせてあげたい。」
といった要望に沿い、
がんでも加入できる可能性のある保険についてわかりやすくお伝えしていきます。
保険に入るためには?
一般的に、保険に入るためには告知が必要になります。
告知とは、被保険者(保険の対象者)が現在の健康状態や職業、身体の障害、過去の病歴などを正しく保険会社に伝えることです。
また、保険会社は告知を見たうえで、申込者が保険への加入ができるかできないか審査します。そのため、被保険者が過去に重い病気で入院などの経歴があった場合、保険への加入は比較的難しくなります。
告知義務違反
保険の加入時に事実と異なる告知をした場合、告知義務違反となります。
告知義務違反となった場合、保険会社はその契約を解除する場合があります。また、保険金の支払対象となる事故にあった場合でも、保険金が支払われない可能性があります。
告知の際には正しい情報を伝えましょう。
がんでも入れる可能性がある保険の条件とは?
がんでも保険に入るためにはすべての告知項目に該当しないことが必須条件です。
そこで、比較的告知項目の少ない引受基準緩和型保険ががんでも加入できる可能性のある保険の一つであります。
しかし、がんの治療状況によっては、引受基準緩和型保険への加入も難しい場合もあります。
というのは、引受基準緩和型保険であっても、多くの商品で5年以内にがん(悪性新生物)や上皮内がん(上皮内新生物)で診察・検査・治療・投薬があるかどうかを問われることが多いからです。
上皮内がんとは、悪性新生物になる一歩手前の状態で、手術で完全に除去してしまえば再発の可能性は少ないがんのことです。そのため、がん治療中である場合、多くの商品における申し込みが難しくなっています。
なお、健康告知の内容は、保険会社によってさまざまなので自分の治療状況にあわせて選択する必要があります。
がん経験者も加入できる可能性がある引受基準緩和型保険ってどんな保険?

引受基準緩和型保険とは、一般的な保険と比べて保険に加入する基準(引受基準)がゆるやかになっている商品です。
この保険の特徴は主に3つです。
1つ目は、告知項目が少ない点です。
たとえば、健康告知の場合、一般的な保険では7~10程度の告知項目となっていますが、引受基準緩和型保険であれば2~4程度であるため、検討しやすくなっています。
告知項目にさえ該当しなければ申し込みできるため、持病があっても加入できる可能性があります。
2つ目は、保険商品によって、一定期間保障が半分になる支払削減期間がある点です。
たとえば、入院日額5,000円の医療保険に加入した場合、契約してから1年以内に入院をした場合、入院1日あたり5,000円ではなく2,500円が給付されます。
2年目以降は、満額(5,000円)が受け取れます。
3つ目に、原則、持病を含めて保障の対象となっている点です。
持病・既往症が悪化して入院や手術を受けることになったり、万一のことがあったりしても、保障の対象になります。
加入条件
告知
一般的に、引受基準緩和型保険であっても、がんに関する告知が含まれているものが多いため、がん治療中や経験者の方は検討できないことが多くなっています。
しかし、告知項目・告知内容は保険商品によって異なるため、治療状況などによっては検討できることもあります。
実際に、がんで治療中・経験者の方が検討しやすい商品である、朝日生命「スマイルメディカルSuperワイド[無配当引受基準緩和型新医療保険(返戻金なし型)S]」の告知項目を見てみましょう。
1 | 最近3か月以内に、医師・歯科医師から、入院、手術、放射線治療をすすめられたことや説明をうけたことがありますか? |
---|---|
2 | 過去1年以内に、入院、手術、放射線治療をうけたことがありますか? ※ 告知事項2が「はい」の場合でも、その傷病や状態によってはお引き受けできる場合があります。詳しくは商品パンフレットにてご確認ください。 |
※ 上記は告知事項の概要です。正確な告知事項は商品パンフレット・朝日生命ホームページ(https://www.asahi-life.co.jp)にてご確認ください。 ※ 告知がすべて「いいえ」の場合でも、ご職業・過去の契約状況等によりお引き受けできないことがあります。 |
上記の告知項目に該当しなければ、がんで治療中・経験者の方も申し込みができます。
引受基準緩和型医療保険
基本的に引受基準緩和型保険であった場合でも、一般的な医療保険と同じ保障内容(入院・手術・先進医療)です。
ただし、商品によってつけられる特約が変わるので確認しましょう。
今回は、「スマイルメディカルSuperワイド[無配当引受基準緩和型新医療保険(返戻金なし型)S]」の例で保障内容をみていきます。
保障内容例 | |||
給付金名称 | 保障内容 | 支払金額 | 支払限度 |
---|---|---|---|
入院給付金 | 病気やケガで入院したとき(日帰り入院から保障) | 1回の入院につき入院給付金日額 ×入院日数 | 1回の入院につき60日 通算1,000日限度 |
医療費充当給付金 | 入院給付金が支払われる入院を開始したとき | 入院給付金日額×所定の給付倍率 0倍(なし)、5倍、10倍、20倍、30倍 | 1回の入院につき1回 通算50回限度 |
手術給付金 | 所定の手術を受けたとき | 入院給付金日額×所定の給付倍率 0倍(なし)、10倍 | 無制限 |
放射線治療給付金 | 所定の放射線治療を受けたとき | 入院給付金日額×所定の給付倍率 0倍(なし)、10倍 | 60日に1回限度 |
先進医療給付金・先進医療見舞金(特約) | 先進医療による療養を受けたとき | 先進医療給付金 先進医療にかかる技術料(自己負担額)と同額先進医療見舞金 先進医療給付金の10%相当額 | 先進医療給付金 通算2,000万円限度先進医療見舞金 通算200万円限度 |
通院一時金(特約) | 入院給付金の支払われる入院の退院後180日以内に通院したとき | 1万円~5万円の間で設定 | 1回の入院につき1回 通算50回程度 |
商品例:スマイルメディカルSuperワイド[無配当引受基準緩和型新医療保険(返戻金なし型)S] 引受保険会社:朝日生命保険相互会社 上記は「スマイルメディカルSuperワイド」の特徴を記載しています。お支払いには上記以外にも所定の要件がありますので、詳しくは「商品パンフレット」「ご契約のしおり(抜粋版)/契約概要/注意喚起情報」「ご契約のしおり-約款」をご覧ください。 ・この保険は、健康上の理由(持病・既往症)により、通常の保険にご加入いただけない方のために設計された引受基準緩和型の医療保険です。そのため、代理店で取り扱っている朝日生命の他の医療保険に比べて保険料が割高となっています。・健康状態によっては、この保険よりも保険料が割安な朝日生命の他の医療保険にご加入いただける場合があります。 |
メリット
・持病の悪化、過去の病気の再発も保障される場合がある
持病の悪化や過去の病気の再発も保障されます。ただし、持病の悪化や過去の病気の再発があった場合でも保険金を十分に受け取れない場合があります。 例えば、正しく告知がされなかった場合や、支払削減期間が設けられている場合等があります。 ただし、保険商品によっては、支払削減期間のない場合があるので確認しておきましょう。デメリット
・保険料が割高
保険の加入条件を通常保険と比べてゆるやかにしているため、通常の医療保険と比べて保険料が割高となっています。
引受基準緩和型終身保険
死亡したときに、遺族に保険金が給付される「死亡保険」にも、加入できる可能性があります。中でも終身にわたって保障が続く「引受基準緩和型終身保険」について、くわしくみてみましょう。
保障内容 | |
給付金名 | 保障内容 |
---|---|
死亡保険金 | 被保険者が病気などで死亡した際に、保険金が支払われます。 |
災害死亡時保障 ※特約(オプション)の場合あり | 交通事故などの万が一の災害において死亡した際に、保険金が支払われます。 保険商品によって基本保障としている場合やオプション(特約)として設置されている場合があります。 特約とは、基本保障をより充実した保障にするオプションであり、つけるためには追加料金の支払いが必要です。 |
メリット
・所定の解約返戻金を得ることが可能
解約したときに、一定の金額を受け取ることが可能です。ただし、払い込んだ金額よりも解約返戻金が少ない場合があります。かりに契約後すぐに解約したら、解約返戻金がまったくない、あるいはあってもごくわずかしか受け取れません。デメリット
・保険料が割高
通常の保険と比べて保険料が高くなっています。・支払削減期間がある
契約日から起算して一定期間(1年など)経過しなければ、満額保障されないという条件をもつ保険商品があります。
がん治療中でも加入できる可能性がある無選択型保険とは
がんを抱えている方でも加入できる可能性がもっとも高い保険が、無選択型保険です。なぜなら、無選択型保険とは健康告知や医師の診査を必要としない保険であるからです。
無選択型保険は加入しやすい分、保険料がかなり高くなっています。また、定期型の保険商品が多く、持病・既往症は一定期間保障(補償)の対象外という条件があります。
無選択型保険は、現在保険に全く加入しておらず、持病以外に病気やケガをしたときが心配な方が万一に備えて加入することが多い保険です。
無選択型保険に加入後、経過がよく引受基準緩和型保険の告知項目に該当しなくなったら切り替えるということもあります。
無選択型医療保険
病気の補償開始日(疾病責任開始日)前に発病していた病気(既往症)や、病気の補償開始日前に発病し病気の補償開始日後も引き続き治療されている病気などは補償されません。病気の補償開始日前に発病していた病気(既往症)でも、病気の補償開始日からその日を含めて2年以内にその病気の治療を目的として入院・手術のいずれもしていない場合に限り、2年を経過した日の翌日以降から補償の対象になります。
※病気の補償開始日前に治療を受けていた病気と医学上重要な関係がある病気については補償されない場合がありますので、詳しくはパンフレット等をご確認ください。
医療補償の場合(男女共通プラン) | |||
給付金名称 | 補償内容 | 支払金額(10,000円コースの場合) | 支払限度 |
---|---|---|---|
疾病入院保険金 * | 病気による入院を補償します。 入院保険金は1日目から補償します。 | 1日につき 10,000円 | 1入院60日限度 保険期間(5年)を通じて通算120日まで補償 |
災害入院保険金 * | 日常生活中だけでなく、地震噴火や津波の天災を原因とするケガによる入院も補償します。 | 1入院60日限度 保険期間(5年)を通じて通算120日まで補償 | |
手術保険金 * | 病気はもちろん、日常生活中、地震や津波の天災を原因とするケガにより入院し、所定の手術を受けた場合補償します。 | 1回の手術につき、手術の種類に応じて10・20・40万円 | 回数無制限 |
商品例:まかせて安心医療保険 引受保険会社:Chubb損害保険株式会社 *天災危険補償特約付帯 ※補償は一部を抜粋して掲載しております。「まかせて安心医療保険」の詳しい補償内容については、「パンフレット」「重要事項説明書」等をご覧ください。 詳細はこちら |
メリット
・健康状態に不安があっても入れる
・病気の補償開始日前に発病していた病気(既往症)については、保険会社により一定の条件を満たせば補償対象になることもある
医療の診査、健康告知なしで加入できるので、一般的な医療保険に比べ加入しやすい保険となっています。
デメリット
・保険料が割高
告知が必要でないため、保険料の割高となっている引受基準緩和型医療保険よりもさらに保険料は高額となっています。また、一般的な無選択型保険では保険期間も5年などの定期タイプであるため、更新のたびに保険料が上がっていく可能性が高くなっています。・治療中の病気は補償されない。
契約開始日から、一定期間内に給付を受ける場合には、保険金の支払い対象外になる場合があります。無選択型終身保険
無選択型にも終身保険(死亡保険)があります。
告知なしで加入できるというメリットはありますが、いくつか注意点があります。
- 保険金の限度額は300万円までなどと低くなっていることが多い。
- 一定期間内(契約後2年間など)疾病により死亡した場合は、死亡保険金額ではなく、支払った保険料相当額が死亡保険金になる。
- 長期契約の場合、払った保険料の総額が死亡保険金額を上回ることがある。
以上の注意点を理解した上で、無選択型保険の検討を確認しましょう。
基本保障 | ||
給付金名称 | 給付金額 | 支払事由(保険金を支払う要件) |
---|---|---|
疾病死亡保険金 | 死亡保険金額(一定期間は、払い込んだ保険料の相当額) | 被保険者(保険の対象者)が病気などで死亡した場合、死亡保険金が支払われます。 |
災害死亡保険金 | 死亡保険金額 | 交通事故などの災害で死亡した場合、災害死亡保険金が支払われます。 一般的に、病気で亡くなられた場合よりも高い保険金額を受け取れます。 |
がん保険(がんになる前に、がんに備えたい方)

がん保険は、がんにかかってからの加入がかなり難しい保険です。
なぜなら、がん保険には一般的に、今までがんにかかったことがあるかどうかを問う告知項目があるからです。
そのため、保障内容もがんに初めてかかったときのためのものが多くなっています。中には、がん経験者向けの保険商品もありますが、がん治療が終了している人(5年以上診察、治療していない)が対象となっています。がん治療中の人は対象となりませんので注意が必要です。
また、がん(悪性新生物)でなくとも、がん保険に加入することが難しい場合があります。それがどのような場合か、まずは正常な細胞からがんと診断されるまでの5つの段階があります。
Ⅰ | 異常なし |
---|---|
Ⅱ | 異常細胞がある良性 |
Ⅲa | 軽度~中等度異形成 |
Ⅲb | 高度異形成 |
Ⅳ | 上皮内がん |
Ⅴ | 悪性新生物(浸潤がん、微小浸潤がん) |
この5つの段階の中で異形成、上皮内がんであった場合でも、がん保険に加入するのは難しいと考えておきましょう。
まとめ
いかがでしたか。
今回は、がんでも加入できる可能性のある保険についてお伝えしました。
現在がんを抱えている人、がんを過去に患っていた人の経済的な負担を少しでも軽減するための情報となれば幸いに存じます。
保険に加入できるかどうかは、保険会社、保険商品あるいはネット、個人といった手続き方法によっても異なります。
さらにくわしく具体的な商品概要を知りたい方はこちらを参照ください。
L2110020
B-2020-68(2020.12.18)

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出典
「平成29年(2017)人口動態統計(確定数)の概況 第6表」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei17/index.html
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