その他の乗り物について「自転車保険のしくみ」

自転車保険ってどんな保険?

手軽で便利な乗り物である自転車。

しかし、自転車同士や歩行者との衝突など、自転車事故にあう危険性は、常にあります。平成29年中の交通事故の発生状況(警察庁)によると、平成29年の自転車乗用中の負傷者数は交通事故全体の15.3%にもなります。万が一の自転車事故のそなえとなるのが「自転車保険」ですが、どのような保険なのかよく知らない方も多いでしょう。

そこで、この記事では、自転車保険のしくみと加入する際のポイントをご紹介します。

高額な損害賠償責任が発生する危険性も!

自転車事故が起きると、被害者が死亡したり、重度の後遺障害が残ったりすることがあります。

その際、高額の損害賠償責任を負う危険性もあるため、そのそなえとして自転車保険に加入する必要があります。

過去には、男子小学生が自転車で走行中に歩行中の女性(62歳)と正面衝突し、女性が傷害を負って意識が戻らない状態になったことで、9,521万円もの支払いが命じられた事例もありました(神戸地方裁判所、2013年7月4日判決)。 たとえ未成年が起こした事故でも、損害賠償責任は発生するのです。

このような高額な賠償責任にそなえ、一部の自治体(滋賀県や大阪府など)では、自転車保険の加入を義務づけられています。

自転車保険のしくみとは?

下記図の通り、一般的な自転車保険は、「個人賠償責任補償」と「傷害補償」の2つで構成されています。

補償種類ごとの補償範囲

事故の相手自分
生命・からだ財産(モノ)生命・からだ
個人賠償責任保険×
傷害保険××

個人賠償責任保険は、自分が運転していた自転車で他人や他人の物を傷つけてしまい、法律上の損害賠償責任を負ったときに保険金が支払われる補償です。

この補償は、自転車事故以外でも、買い物中に店の商品を誤って壊してしまったときなどの日常生活で損害賠償責任を負ったときにも補償される利便性があります。

傷害保険は、自分のケガや、死亡時の損害などを補償します。ケガの治療のための通院や入院、手術保険金、もしくは葬儀費用など、入通院日数や手術内容に応じて保険金を受け取ることができます。

また、大半の自転車保険では、自転車事故以外の交通事故や、日常生活でのケガも補償してくれるため、事故の際に請求漏れがないよう注意してください。

なお、自転車保険では、自転車の盗難に対する補償は対象外となります。自転車の盗難に備えたい方は、自転車の盗難も補償する商品への加入を検討しましょう。

自転車保険加入時のポイント

自転車保険は、保険料のプランや付帯サービスをよく確認してから加入することが大切です。

たとえば、保険料は一人で加入するよりも、家族プランなどで加入した方が割安になるように設定されているのが一般的です。家族の中で自転車に乗る人が複数いる場合は、まとまって加入するようにしましょう。

また、突然のパンクなどのトラブルにより自力で走行できなくなった場合にそなえて、自転車のロードサービスを用意している商品もあります。「電動アシスト自転車に乗っている」、「サイクリングが趣味」という方は、こうしたサービスの有無によって商品を選ぶのも良いでしょう。

中には、個人賠償責任保険のみ加入したいという方もいるでしょう。しかし、現在は個人賠償責任保険を単独で補償する商品はほとんどありません。

もし個人賠償責任保険だけが必要な場合には、現在加入している自動車保険や火災保険、傷害保険の特約で付帯することを検討してみてください。

ニッセンライフで取り扱っている自転車保険はコチラ

表3 「自転車対自動車」事故の類型別事故件数

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2021年10月作成 21-TC05661

張替愛(K&Bプランニング小澤美奈子監修)