公的医療とは「高額療養費の現物給付」

入院時、窓口での負担額を減らす方法とは

高額療養費制度では、払い戻しとなる分を退院後に請求する方法のほかにも、事前に手続きをすることで、医療機関の窓口で支払う金額を最初から減らす方法があります。これを「高額療養費制度の現物給付」といいます。この他にも、特定の疾病の医療費を抑える制度や、貸付制度があります。

高額療養費の現物給付

入院や手術をする場合に、事前に、加入している公的医療保険機関に申請を行い「認定証」を発行してもらう事で、医療機関での窓口での支払い額を高額療養費制度の限度額までに抑えることができます。後から請求手続きする必要がなく大変便利です。ただし、高額療養費制度の対象外となる費用については、自己負担で支払う必要があります。

特定疾病療養

長期間にわたって定期的な治療を継続しなければならず高額な医療費が必要となる特定の疾病について、自己負担限度額を通常の場合より引き下げる特例制度があります。なお、対象となる疾病は決まっています。下記の図表を参照してください。

これを受けるには、特定疾病療養受療証交付申請書と、特定疾病に関する医師の意見書・当該疾病にかかったことを証する書類を公的機関に提出します。認定を受けると「特定疾病療養受療証」が交付され、医療機関の窓口で、この受療証を提示すると、窓口での負担は自己負担限度額までとなります。

特定疾病自己負担限度額

血友病

10,000円

人工腎臓(人工透析)を実施している慢性腎不全

70歳未満で被保険者の標準報酬月額が53万円未満の場合(一般所得)

10,000円

70歳未満で被保険者の標準報酬月額が53万円以上の場合(上位所得)

20,000円

70歳以上の被保険者の場合

10,000円

抗ウイルス剤を投与している後天性免疫不全症候群

10,000円

高額医療費貸付制度

高額療養費制度で後から払戻金を受けとる場合、実際に診療をした月から3~6カ月ほどかかります。そのため、当面の医療費用の支払いに充てる資金として、高額療養費支給見込額の8割相当額までの貸付を行う「高額医療費貸付制度」が設けられています。

受付後2~3週間程度で、高額療養費支給見込額の8割に当たる貸付金が指定の口座に振り込まれます。また返済については、高額療養費の支給金額が決定されると自動的に高額療養費給付金が貸付金の返済に充てられ、残りの金額のみが指定口座に振り込まれます。

※記載内容は平成29年8月現在の内容です。法改正や制度改正などにより内容が変わる場合があります。

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森田直子